大学受験の参考書の選び方と数学・物理・化学のおすすめ参考書

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(注: この記事を書いた筆者が受験したのは2022年(共通テスト2年目で数学が暴れた年)です。当時使っていた参考書から選んでいるため最新の書籍をカバーしていないことがあります。ご了承ください。)

目次

1. 参考書の選び方と使い方

目次

この記事では(続き書く)

前回の記事でも参考書を使った自習の勉強法のポイントを紹介しましたが、大事な項目を

参考書の選び方と使い方

受験生は時間がない(特に現役生)ので、なるべく早く、より難しい問題が解けるレベルに到達する必要があります。そのために以下のことに気をつけましょう。

  1. 問題集は網羅性全振りの分厚い本ではなく、分量の割にカバー率が高い本を選ぶ
  2. 参考書ルートの下位の本は上位の本をやるための補助と捉える。
  3. 「難しい」と言われいる問題集でも1題の中に小問が多いものは良書であることが多く、おすすめ(特に理科系)。
  4. 本の候補を絞って、どれを選ぶか迷ったら最後はレイアウトやデザインが好みのものを選ぶ。
  5. 一問からできる限り多くを吸収するイメージで解き、2周目は間違えた問題のみをやる。

順番に解説していきます。

筆者は公立の中高に通い、高一の途中ごろまで学校のペースで勉強を進めていたので痛感しているのですが、受験生は時間がありません。 特に難関校に現役合格を目指していて、さらに合格できるかどうかのラインではなく安全圏を目指すともなれば正直、いわゆる普通の学校のペースでは間に合わないです。 なので、なるべく早くレベルアップしていく必要があります。高校生であれば勉強以外にもやりたいことはたくさんあるわけですし。

これを踏まえて問題集を選ぶときは「分量の割にカバー率が高い本」を選びましょう。具体的にどの本がおすすめかは次の参考書ルートにて紹介します。 そして、この方針は網羅系参考書を"問題集"として使うのは避けようということでもあります。

具体名を出すとチャート式シリーズです。 たまに、チャートをおすすめする理由として「この本さえやりこめば合格するから。」というものがありますが、「その本だけで合格できること」と「その本を選ぶこと」は別です。 なぜなら、網羅性を理由にして考えると、オーバーですが「全国の入試問題を30年分やりこめばいい」という暴論も成り立ってしまうからです。

もしも、チャート式シリーズが誰でもやりきれる分量だったら問題は起きないのですが、実際に見てみると分かる通り相当な分量があります。 これは時間がない受験生にとって好ましくないです。後にも書きますが、この系統の本はあくまで「辞書」として使いましょう。

次に参考書ルートを進むと同じ教科でも何冊かの本を使うわけですが、そのときに完璧にしたいのはルートの最後の本で、それまでの本はあくまで補助と捉えましょう。 これはどういうことかというと、今の本を100%完璧に理解しないと次の本に進めないという発想を捨てましょうということです。

2. 参考書おすすめルート(数学編)

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ここからは実際に筆者が使用した参考書からおすすめの本を選んで最上位レベルまでのルートを紹介します。 注意点として、筆者が使っていなかった本については評価ができないので、原則ルートに入っていません。(数学の初手2冊を除く) なので、自分が取り組もうとしている本の名前が出てなかったとしても不安にならないでください。

また、それぞれの本がどのくらいの到達レベルかを筆者の肌感覚ですが書いておきます。 ただ、正直自分の受けた大学以外の入試についてはそこまで詳しくないのであくまで参考であることをご了承ください。

(筆者のひとりごと)たくさんの参考書をレビュー・比較しているWebページや動画を見ると、"本当に全種類解いてみてからレビューしている"のかちょっと気になります。

やさしい高校数学(学研)

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数学の1冊目は「やさしい高校数学」です。理系数学ではないので注意してください。(伝わる人には伝わる)

いきなりで申し訳ないのですが、数学の1,2冊目は筆者自身は使っていない参考書になります。 理由は3冊目の「1対1対応の演習」まで我流で進めていたので、自分の使っていた本から選べなかったからです。

ただ、この記事を書くにあたりしっかり書店で現物を見て判断してきたのでその点は安心してください。 それではこの本のおすすめポイントを紹介していきます。

まずド直球ですが、シンプルに説明が丁寧です。 1冊目はその教科の最初のインプットになるので「わかりやすさ」を最重要事項にしているのですが、 この本は文章は会話形式で詳しく説明されていますし、図やグラフも豊富に使われています。 また、文字サイズや行間も適切なので見た目にも読みやすいと思います。

その分、本の厚さがかなり分厚いことには注意です。 筆者も実物を見たときに驚きました。全3冊を重ねると岩のような厚さになると思います。 しかし、高校数学の内容量を考えると仕方ないかなと思います。

そして、説明に変なごまかしがない点も高評価です。わかりやすさを重視した本にありがちなのが、読者に一旦納得してもらうためにそれっぽい説明をしてやり過ごすパターンです。 このパターンはその説明文を読んでいる時点では納得できるのでいいように思いますが、後になって問題がより複雑になってくるとメッキが剥がれて思考の妨げになることが多いです。 本質から逆算して考えられた説明であればセーフですが、辻褄合わせだけを考えた説明だと後で本当に罠になるので印象が悪いです

その点において、この本はその時点で説明できることとできないことの区別をきちんとしていると感じました。具体例は数学Ⅰの平行移動したグラフの方程式です。 この内容は、正確に説明するには数Ⅱの図形と方程式分野の軌跡・領域の考え方が必要なのですが、学習者に納得してもらうために辻褄合わせの説明がされることがとても多いです。(本サイトで解説記事を書くときは説明の仕方にとても苦労しました。) しかし、やさしい高校数学(数Ⅰ・A)では数学Ⅰを学んでいる段階では正確に導出できない旨が書かれていて良かったです。

加えて、理系の方にとって重要な点がこの本は数学Ⅲ・C版まであります。 もしも無いと、地味に痛手なので本当にありがたいです。 最後まで同じシリーズの本で学習できるのは安心ですね。

この本の到達レベルは定期テストが解ける・共通テストを受けるスタートラインに立てるあたりだと思います。 ただ、この本だけでは演習をしていないので実際に解くのは難しいです。 なので、次に紹介する基礎問題精講で問題演習をすることをおすすめします。(この本でインプットして基礎問題精講で演習のように同時並行がいいかも。)

基礎問題精講(旺文社)

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インプットが終わっていよいよ問題演習に入るのですが、巷ではこの段階から分厚い網羅系が使われることが多いです。 しかし、この記事での方針は「分量の割にカバー率が高く、着実にやり終えることができる本」です。 この観点から選ぶと意外と欲しい本が無かったのですが、旺文社の「数学基礎問題精講」はこのニーズを満たしていると思います。

実はこの問題精講シリーズは本記事でかなり採用していて、全体を通して良書です。 ただし1点注意なのが、このシリーズの"標準"は詐称なので気をつけましょう。 帯の目標レベルを見ると、きちんと最上位帯になっています。 一方、"基礎"の方は本当に基礎なので、基礎と標準の間にレベル差がある印象ですね。

(ここ書く)

この本の到達レベルは共通テストが解けるようになる、時間をかければそこそこ点も取れる・中堅校の2次試験を解くスタートラインに立てるあたりだと思います。 確実にこれらの試験を受ける準備になりますが、これだけではまだ少し物足りないといった感じですかね。

そこで、次のレベルに進んで実際に試験で出題される難易度の問題を解いていくことで得点力を上げていきます。 本ルートは最上位レベルの到達を目指して組んでいて「1対1対応の演習」へと進みますが、

補足|網羅系参考書の立ち位置は?

よく目にする数学の分厚い網羅系参考書ですが、先述した通り「辞書」としてならかなり使えます。

実際、本サイトの解説記事を書くときに網羅系参考書を使って扱いそびれた問題パターンが無いかをチェックすることがあります。 その圧倒的な物量から、他の本で解いた問題の類問を探すのもやりやすいでしょう。

しかし、演習を積む問題集として考えるとやはり厳しいと思います。 あくまで筆者の経験ですが、問題の並び順が学習者にとってはやや不親切だと感じたこともあったので今回はルートから外しました。

1対1対応の演習(東京出版)

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数学マニア向けとして知られている「大学への数学」の書籍ですが、この本はとても完成度が高いので広くおすすめできます。 特に、これ以降に紹介するような数学で上位を目指す人向けの問題集に取り組む予定であれば、1対1対応の演習を強くおすすめします。

この本はかなり完璧に近い完成度だと思います。 本書のはじめにに書かれているように「難関校レベルまで効率よく到達してもらうこと」を目標にしているのがよく伝わってきます。 個人的にもっと早く出会いたかった良書です。

受験数学の山として、教科書のレベルと実際の入試問題のレベルに差があり、この差を埋めるのがかなり大変な点が挙げられます。 ちょうど基礎問題精講を仕上げたあたりで、このような「教科書の内容はしっかり理解しているのに、試験問題になると難しくて解けない」という事態が起きやすいです。 そんなとき差を埋めるのにピッタリなのがこの1対1対応の演習です

具体的にはカバーしている範囲・その範囲に対しての問題数・この本での学習によって上がるレベルの上がり幅、これらすべての観点で高クオリティです。 この3点全てが高クオリティな本はなかなか見ないので、よく練られていると思います。 使い始めるために求められるレベルがやや高いのが難点ですが、基礎問題精講を取り組んでいれば扱えないことはない難易度でしょう。

またここからは使用者のレビューとして、使っていく中でいくつか注意点も見つかったので書いておきます。 まず、例題に対して演習題が難しすぎることがあります。(あくまで、"ことがある") 本書の構成は例題とその解説が書かれた後に演習題が載っているのですが、例題をどうやって解くのか読んで、いざ実際に演習題を解いてみると思いの外、難しい回がありました。

このような回は基礎問題精講から進んできたばかりの頃は厳しいので、一旦飛ばして後から見直しましょう。 他の知識も身につけてから読むと理解できることもあるので、初見ですべて理解しようとしなくても大丈夫です。 (特に数Ⅰは数Ⅱの知識が欲しい)

次に、分冊になっていて気づきにくいがそこそこ分量があります。これは分量が過剰というわけではなく、読者が勘違いしやすいという意味です。 この本は数学ⅠAⅡBⅢCで細かく分かれており、合計6冊になっています。分冊自体は1冊あたりが薄くなり、持ち運びしやすくなるので良いですが、 その反動で見た目よりも分量があることに気をつけてください。

なお、この本の一部レビューには「解説にクセがある」と書かれていることがあります。 筆者自身はその"クセ"を全く感じなかったので正直わからないのですが、個人的には解説が雑だと感じたことはなく、むしろ丁寧だと思います。 なので、少なくとも「解説にクセがある」は「解説が詳しくない」という意味ではないでしょう。どうやら好き嫌いがあるそうです。

教科書レベルから実際の試験問題レベルまでグッとレベルアップしたい方はぜひ取り組んでみてください。

この本の到達レベルは中堅校の2次試験を見て方針が立ち、かなり解きやすくなる・難関校の2次試験で問題によっては十分戦えるあたりだと思います。 数学が得意だと言えるレベルにはなると思います。(しかし、上には猛者が居るので軽々しく言うのは危険) ここからはそんな猛者を目指す本たちが登場します。

ハイレベル数学の完全攻略(駿台文庫)

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知名度は低めですが間違いなく良書です。 1個前の1対1とこの次の上級問題精講を完璧に繋いでくれます。 上級問題精講は実力の増強という感じなのでこの本を終わらせて過去問演習に移るのも全然アリです。

1対1の演習題でもそこそこレベルは高いのですが、数学で最難関と言われるような書籍たちとはまだ差があります。 そうしたレベルへと引き上げてくれるのがこの本です。

実際に目次を見てみるとわかるのですが、収録されている問題数はかなり少ないです。 数学ⅠAⅡBが45題、数Ⅲが41題となっています。ですが、解答・解説編が異常に詳しいです

そんな異常に詳しい解説には何が書いてあるかというと、まずアプローチと題して使えるかもしれないヒントが載っています。 これが「まだ解答は見たくないけど、分からないからヒントだけ欲しい」というときに重宝します。 こちらに考えるチャンスを与えてくれるのでとても良いと思います。

なお、アプローチに書かれているすべての内容が問題を解くことに直結するヒントではないので注意してください。 しかし、この点はむしろ「解答から逆算した天下り的なヒント感」がないので高評価です。

アプローチの次に問題の解答が載っています。ここは他の問題集と同じです。 そしてその後にフォローアップと題してその問題の詳細や使われている背景知識の解説、関連する類題の紹介などが続きます。 この部分が回によっては本当に長く、問題を解き終わってからがスタートと感じるほどです。

そして、この丁寧なフォローアップこそが本書の最大のアピールポイントです。 どの回もよく考察されていて濃密だと感じました。おまけに関連する類題まで載っているのは驚きです。 収録されている問題数が少ないとお伝えしましたが、この本の「はじめに」に書かれているように1問を1問で終わらせない内容なので満足できると思います。

2022年からの新課程に合わせて改訂されて表紙もかっこよくなっていたので、気になる人はぜひ一度取り組んでみてはいかがでしょうか。

この本の到達レベルは難関校の2次試験の合否を分けそうな問題・正答率が低そうな問題でも十分戦えるあたりだと思います。 "レベル"自体はほぼ最上位と言ってもいいのですが、問題数が少なめので安定せず、自分の引き出しに無い問題が来られると辛いです。 というわけで、最後は引き出しを増やすために、とにかく難問で良問な問題を解きまくる本を紹介します。

上級問題精講(旺文社)

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数学を極めたい人向けの問題集として有名なものは4,5冊あるのですが、その中から筆者がおすすめしたいのは「上級問題精講」です。 この本は2冊目に登場した基礎問題精講と同じ、旺文社の問題精講シリーズの数学の本の中で最もレベルの高い本となっています。 個人的に今回特にお伝えしたい点はレベルと内容量と解説の質です。順番に説明していきます。

まず、表紙のオーラから伝わってくる通りこの本は最上位レベルを目指せるスペックがあります。 本の帯に「東大,京大,一橋大,東工大レベルの良問を精選」とあるように最上位帯を目指すにふさわしい内容となっています。

次に、内容量については1個前の「ハイレベル数学の完全攻略」の問題数が少なかったので、ある程度やり込めるだけの量が欲しいところです。 この点についても上級問題精講はⅠAⅡB+ベクトル編が167題(類題37題を含む)、ⅢC編が148題(類題29題を含む)と十分な内容量があります。 良問が揃っているので実力増強にピッタリです。なお、後ほど解説しますが必ずしも全問やる必要はなく、志望校の頻出分野に絞って取り組むのがおすすめです。

最後に解説については、一般的に「初学者向けの本はあんなに解説が詳しいのに、最上位レベルになってくると不親切だ」と感じることが多いのですが、 この本は丁寧に書かれていると思います。レベルが高く、良問が揃っていて、解説も丁寧な本はなかなか無いので自信を持っておすすめできます

最後に使い方と到達レベルですが、この本の目的は2次試験問題を解くときの引き出しの補充なので、志望校の頻出分野に絞って解くだけでも十分な効果があります。(実際、筆者も受験生のとき全ての問題は解いていません。) 分野の問題をすべて解けばその分野に関しては猛者だと言えるでしょう。(もちろん志望校の過去問もたくさん解きましょう。)

そして、もしも全問解いた場合は受験数学で無双できると思います。 余裕のある人は他の教科の進度も確認しながら目指してみるといいかもしれません。

3. 参考書おすすめルート(物理編)

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実は今回紹介する3教科の参考書ルートの中で一番自信があるのが物理です。 基礎の基礎から最上位レベルまで自信を持っておすすめできる本のシリーズが4つ(+補助1つ)あり、無理なく進めると思います。 それでは順番に紹介していきます。

宇宙一わかりやすい高校物理(学研)

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初めて物理を勉強する人に向けておすすめしたいのがこの本です。 今回の記事で紹介している本はどれもお気に入りの本なのですが、その中でもこれは初めて読んだときに感動しました。

まず、イラストが豊富でとても読みやすいです。 物理は身の回りの現象を扱っているので勉強している内容をちゃんとイメージすることはとても大切です。 そのときにこの本のイラストがとても助けになります。 中学生用まではこうしたイラストが豊富な参考書は多いですが、高校生用になると激減するので「こんな本があってくれればいいのに」という願いにめちゃくちゃ刺さります。

おそらく初めて書店で現物を見てみると「分厚っ」と感じると思うのですが、それはこの豊富なイラストと丁寧な解説の結晶です。 図に目が行きがちですが説明文もよく練られていて、まさに「宇宙一わかりやすい」です。 分厚いですが、冗長だなと感じることはなく、大事なことが丁寧にギッシリ詰まっていると思います。なので、見た目よりも読み終わりやすいでしょう。

そしてこういうタイプの本のよくある欠点として、「わかりやすいんだけど内容が基本すぎる」・「次のレベルに進むために結局難しい本をもう一冊読まないといけない」ことが多いのですが、 この本はしっかり次に紹介するような問題集たちに繋げてくれるポテンシャルがあります。 買ったときのキャッチコピーに「こう見えて本格派」と書いてあったのですが、本当にその通りで驚きました。

褒めてばっかりなので欠点を探したいところなのですが、重いぐらいしか冗談抜きで見当たらないです。本当に完成度が高いです。 この本でしっかりイメージを掴んで次のステップに進みましょう。 ちなみに、別冊の問題集はそこまで量も多くないので確認として解いてみてもいいですし、次に問題集をやる予定なら飛ばしてもいいと思います。

この本の到達レベルは定期テスト・共通テストがまあまあ解けるあたりだと思います。 ただし数学のときと同様に、この本だけでは演習不足なので実際に解くのは難しいです。(言っていることが矛盾してそうですが、本の到達レベル自体は共通テストにも負けないものの練習をしてないのでその実力が出せないイメージです。) というわけで、演習のための本に進みましょう。

物理のエッセンス・良問の風(河合出版)

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物理の参考書として有名な本なので、知っている人も多いと思います。順当におすすめできます。良問の風は問題集として使っていきましょう。

ただ注意が必要なのは、物理のエッセンスの使い方です。この本はいわば、"カンニングペーパー"として使いましょう。 この本を使って物理を初めて勉強しようとしないでください。それは一個前の宇宙一わかりやすいの役割です。

では、なぜわざわざここで紹介しているかというと、良問の風を解くときにまだ勉強内容が完全に頭に入っていないので軽く確認したいことがあります。 そのときに毎回、宇宙一を開いていると結構大変です。 一回学んでだいたい内容はわかっているので、問題を解くときに必要なエッセンスだけ手軽に確認したいのです。

このタイミングで文字通り物理のエッセンスを使いましょう。一回勉強している人にとってはすごく簡潔にわかりやすくまとまっています。まさにカンニングペーパーです。 なお、物理のエッセンスにも問題が載っていますが、良問の風を使うのであればわざわざ解かなくていいと思います。

そして、良問の風についてですがシンプルに良い本だと思います。問題も厳選されていて"良問の風"の名に恥じないと思います。 問題によっては状況設定を見て複雑そうだと思うかもしれませんが、始めの方の小問は冷静に考えれば意外と解けるはずです。 後半になって本当にわからなくなったところでギブアップして答えを見ましょう。これは入試本番でもいえることなので意識しておくといいと思います

(落ち着いて見てみると、宇宙一と似てる問題だなということがあります。やっぱりあちらの本は侮れないですね。)

この本の到達レベルは中堅校の2次試験がそこそこ解ける・難関校の2次試験の各大問の序盤の小問なら解けるあたりだと思います。 難関校はもちろん中堅校でも安心して解きたい場合はまだ物足りないので、ここは有名なルートで実力増強をしましょう。

名問の森(河合出版)

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良問の風の続きとしてこちらも有名な本です。とても良書なのでもっと多くに人に挑戦して欲しいなと思っています。

というのもこの本は「難関大志望御用達」といった感じで紹介されることが多く、軽い気持ちで手を出してはいけない感じを漂わせています。(自分のときはそうでした。) しかし、実際に話しかけてみると結構いいやつのパターンです。もちろん「難関大志望御用達」と言われるだけあって完璧にしたときの到達レベルはかなり高いのですが、良問の風を解いたのであれば問題なく使いこなせます。

その理由は問題構成がすごく丁寧だからです。 どの大問も全体を通してテーマにしている物理現象はやはり良問の風よりも複雑です。 しかし、かなり基礎的な問題から設問に出してくれるので、今まで学んできたことがちゃんとわかっているのかのチェックになるのと、その後に待ち構えている難しい問題が解きやすくなります

この点が非常にいいと思います。ただ難しいだけの問題集ではなく、しっかり今まで学習を積み上げてきたかが問われます。 また入試本番においても、全体としては複雑な現象を扱い、その手始めとして基礎的な問題が出題される構図は一般的なので慣れておいたほうがいいと思います。

このような点から難関大を目指す人はもちろんそれ以外の人であっても挑戦してみてほしい本です。

この本の到達レベルは中堅校の2次試験がかなり解きやすくなる・難関校の2次試験を戦えるようになるあたりだと思います。 数学では1対1のときに使った表現ですが、物理が得意だと言えるレベルにはなると思います。(もちろんこちらにも上には猛者が居るので注意)

一方で、難関校を目指すなら周りもこれぐらいのレベルの演習をしていることも事実で、抜きん出るほどではありません。 そこで最後に差をつけに行く一冊を紹介します。

物理標準問題精講(旺文社)

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数学でも登場した旺文社の問題精講シリーズの本です。 "標準"が詐称なのはこちらでも同じなので気をつけましょう。 なぜ改名しないんでしょうか。

どの教科でもそうなのですが、最上位帯の本になってくると、 「君、得意なんでしょ?」と言わんばかりに解説のやる気が急に無くなるものが一定数います。 その点でこの本の解説はとても丁寧ですこれだけ難しい内容をわかりやすく解説してくれている本自体がレアなので評価が高いです

扱っている現象は最上位帯とあってさすがに難しいですね。やはり、物理で点数を稼ぎに行く人向けといえます。 ただ、奇問などは無いので安心してください。繰り返しになりますが、これだけ難しい内容をとても詳しく丁寧に解説してくれるのは本当にありがたいです。 解答・解説編が別冊になっていて取り外せるのですが(地味なアピールポイント、問題を見ながら解説を見ることができて便利)、この別冊の厚さは優しさの塊といえます

難関校では名問の風は周りも普通に解いてくると思うので、物理で差をつけたい人はぜひこの本を使ってみてください。 また、さすがにルートからは外しましたが、この続きとして「物理思考力問題精講」という本があるのでガチで極めたい人はそちらもどうぞ。

ちなみに、同じく最上位帯の本として「難問題の系統とその解き方」という本があります。私自身はこの本を買うだけ買ってやらなかったので適当なことは言えないのですが、 この本をやった友人によると、「問題は良問だが解説がやや雑」だそうです。分量的にもかなりあるのでマニアでなければ避けるのがベターかなと思います。

この本の到達レベルは難関校の2次試験で大問完答も十分狙えるあたりだと思います。 そしてこのレベルになると、あとは物量が物を言うので過去問なども利用してどんどん頭の中のストックを蓄えていきましょう。

4. 参考書おすすめルート(化学編)

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宇宙一わかりやすい高校化学(学研)

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化学頻出!スタンダード問題230選(駿台文庫)

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化学標準問題精講(旺文社)

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新理系の化学問題100選(駿台文庫)

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5. まとめ

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今回の内容をまとめると、

  1. (編集中…)

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